アスベスト除去について

アスベストとはその特徴と用途、そして危険性について

アスベストとは
かつては「奇跡の鉱物」
とも呼ばれた鉱物繊維

ABOUT ASBESTOS

ASBESTOS

アスベストとは、天然鉱物で自然界に存在する「けい酸塩鉱物」のうち繊維状を呈している物質の一部の総称です。

「石綿(いしわた)」「せきめん」とも呼ばれています。
耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、紡織性などにすぐれ、しかも安価なためにカナダや南アフリカなどから大量に輸入されていました。その大半は建築材料に使用され耐火材料としての役割を担ってきました。

「奇跡の鉱物」と呼ばれていたのは、鉱物ですから耐熱性があり、繊維なので紡織品にも加工できるからです。
紫外線に強く耐候性に優れているので、屋根材(スレートなど)に使用され、混ざりやすい特性から多くのセメント製品にも使用されていました。

クリソタイル

クリソタイル

クロシドライト

クロシドライト

アモサイト

アモサイト

身近なところで使われてきた
アスベスト
ASBESTOS PRODUCTS

アスベストは8割以上が建築資材の原料として使用されていました。

鉄骨造の建物では柱や梁などの構造体に耐火被覆としてアスベストが吹き付けられていました。
学校やビル、集合住宅などでは断熱材・防音材・耐火被覆材・保温材、自動車のブレーキライニングやボイラーなどの配管の被覆などさまざまなところで広範囲に使用されていました。

このアスベストが経年劣化で表面がもろくなると、空気中に飛散しやすくなり非常に危険です。

たとえば普段何気なく利用しているビルのエレベーターでは、シャフト内に施工されているアスベストが経年劣化すると、エレベーターのカゴが動くたびに気流が発生し、アスベストを飛ばしてしまうことになります。
このようなことを防ぐために適切な時期にしっかりとした対応が必要となります。

ビルの梁、柱に吹付けられた
乾式アスベスト含有吹付材

エレベーターシャフト内の
耐火被覆成型板

ビル・工場などの煙突内部の
断熱材(カポスタック)

工場・倉庫・駐車場などの折半に
吹付けられたアスベスト含有建材

ビル・店舗などの内装天井材
(仕上げボード)

ボイラー配管のエルボ部分の
含有建材

映画館・劇場・病院・ホテル・図書館などの建築基準法で定められた
耐火建築物

「静かな時限爆弾」
アスベストの危険性
SILENT TIME BOMB

アスベストの繊維は1本の繊維の太さが1ミリの1万分の1から10万分の1(1μmから0.1μm)。
大気中に浮遊しやすく、肉眼ではまったく見えません。
自然界では分解されないので、一度飛散したアスベストは消えることなく大気中や地表面に残ります。

アスベストを吸い込むと気管から気管支、さらに肺の奥の肺胞にまで入り込み、体内に滞留。
「石綿肺」「肺がん」「悪性中皮腫」などの病気の原因ともなります。

これらの病はアスベストを吸ってから10~40年という長い潜伏期間のあとに現れるので
アスベストは「静かな時限爆弾」「サイレントキラー」と呼ばれています。

アスベストによる健康被害

石綿肺

じん肺の一種で、肺が繊維化してしまう「肺繊維症」という病気のひとつ。

悪性中皮腫

肺や心臓を取り囲む胸膜や心膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜に発生する悪性の腫瘍。

肺がん

肺細胞に取り込まれ、細胞に刺さった石綿繊維の物理的刺激により肺がんに罹患するといわれています。

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